メンヘラさんと初めての生理中のセックス

このメンヘラさんとの出会いは僕にとってとてもトラウマティックな出来事だった。この出来事の後しばらくは思い出したくもなかったが彼女を起点に色々考えてみると、たくさん考えさせられることも多かった。短い時間だったが、彼女と会ってよかったと今では思っている。

 

カラオケに行こうと誘って彼女と待ち合わせた。特徴をざっくり言うと、髪型はパフュームのかしゆかっぽくて、黒いスカートに濃いブルーのニットを着ていて、割りと地味な女性だった。でも、僕はそんな地味な人がタイプだ。

うだるような暑さの中、歩きながら、話していると彼女はいきなり滝を見に行きませんか?と僕に尋ねてきた。正直相当面食らった。

彼女は貿易関係の仕事の事務をやっていて28歳。滝の言動も含めて、彼女を観察すると化粧をしていなかったり(遠目で見ると綺麗に見えたが)、話している時もどこに向かって話しているのかわからないような感じで、正直この人はやばいなと一瞬脳裏をよぎった。

僕がそもそもカラオケに行こうと誘ったのは、いろんな店でのアポの流れを試してみるつもりだった。

試してみるというのは、もちろんナンパをしている以上はセックスをするつもりだったが、カラオケに行くのも人生で四回目ぐらいでまったく勝手がわからない状態だったからだ。

滝は厳しいので断って、街を一望できる展望台に行くことになった。

凄く自然が好きで山に行ったり、海に行ったりするのが好きらしい。

僕は田舎出身なので、僕の田舎での体験の話を彼女は楽しそうに聞いていた。

展望台に着くと、彼女はどんな街かというのを事細かに教えてくれた。

その時点で、さっき脳裏をよぎったことは杞憂にすぎないと思うようになっていた。

展望台でひとしきり街の紹介が終わった後、僕から暑いし飲み物も色々飲めるから改めてカラオケに行こうと誘った。

彼女はそれに同意してくれて、カラオケに行くことになった。

 

手続きをしながら、内心ではカラオケのシステムがわからなくて、ドキドキしていた。

普通の人にしたら全然たいしたことないかもしれないけど、それでもなんとか問題もなく部屋に向かうことができた。

部屋に入って横に座ってすぐに、とてつもない違和感が僕を襲った。

僕にしては珍しく、最初から隣に座ることができたのだが彼女は伏し目がちで身体を正面から僕と反対方向に30度くらい横に向けて座った。

隣に座ると、彼女はなぜが正面を向かずに、僕がいる方とは違う方に体を向けた。

彼女はしきりに恥ずかしがった。

いたずらで、彼女が向いている方向に僕が移動して彼女の顔を見たら、彼女は目線を下にして、僕と逆の方に30度身体を向けた。

こんな反応だったけど、にこやかになっていたので彼女は嫌がっていないということは直感的にわかった。

彼女はカラオケに来たのに歌わないのかと不思議がったが、ちょっと休むために入ったからと必死に説明した。

しばらくお互いのことを話して、セオリーどおりに、下ネタの話をした。彼女は初めて彼氏が出来てセックスをしようとしたものの、なかなか出来なくて挿入に至るまで一年半かかったらしい。

それから四人の人とセックスをしたようだが、どれも短期的な付き合いで終わってしまったようだった。

意外なことに彼女とは下ネタの話で盛り上がることが出来たのだが、違う方向を向いて座るのでギラつくどころではなかった。

二時間ほどたって、カラオケを出た。

そして、食事に行こうかどこにいこうか右往左往している時に僕は唐突にホテルに行かないか打診してみた。

そしたら、驚いたことに彼女はあっさりOKしてくれて、安いラブホテルに入った。

 

ホテルに入って二人でベッドに座ってコンビニで買ったおにぎりを食べた。

食べ終わって少し愛撫をしてからシャワーを別々に浴びて、セックスをした。

彼女はすぐに「挿入する?」と僕に聞いてきた。

「早くない?」と聞くと今までの人はすぐ挿入したからと挿入を迫った。

彼女は男の快楽のみを追求した一方的なセックスしか経験したことがないのだろう。

彼女はセックスは気持ちいし好きらしいが、こういうことをして欲しい、こういうのがしたいというのがまったくなく、愛撫をしたり挿入をしている最中でもあんまり反応がない。

これはマグロというらしい。

相手にしたら本当に失礼な話なのだが、正直に言うと僕がセックスしているのは人だとは思えなかった。

ただ暗闇の中柔らかくて生温かい湿潤な穴に性器を入れてただ腰を振っているという不気味な感覚だった。

視覚では人と認識しているようだけれども、感覚的な次元では人ではないかのような奇妙な感覚だ。

まさに恐怖だった。

体位を変える際に気づいたのだが彼女は生理だった。

生理だなんて一言も聞いていない。

股間のまわりが血まみれになってさーっと血の気が引いてセックスなどどうでも良くなっていた。

人間ではないかのような恐怖と血に対する恐怖の二重の恐怖で早く終わって欲しいその一心だった。

終わってから、同じ電車に揺られながら気まずい雰囲気のなか帰った。

 

彼女を関わっていく中で、主体性のない人の独特の、ぬるっとした気味の悪い感覚。

彼女に感じたような気味の悪さをきっと僕に接した人に味あわせているのではないかとふと思った。

僕は彼女と同じように受動的な人間だからだ。

最近あった講習でもそう感じさせることがあった。

コーディネートの時も、試着をしながら、見ていたのは鏡にうつる僕自身のようで、おそらく無意識的に周りの人がどう思うのかを伺っていた。

実際に、周りではなく君がいいのを選びなさいと言われた。

ファッションには疎いので、店員さんが選んだおしゃれとされている服を来た、いつもと違う様子の自分を見て、心が無重力空間に漂ってふわふわしていて、似合っているかなどまったくわからなかった。

周りを気にするようになったのは僕の小学校の時の体験に由来する。

小学校の時に絶対的なリーダーがいて、そいつの機嫌を逐一伺いながら行動するという六年間を過ごした。

そこで最優先すべきはそのリーダー格の機嫌であり、僕のことなど二の次三の次だった。

そこから周りに対して、勝手に緊張するシステムを自らの中に作ってしまった。

それに未だに縛られている。 

 

シンジさん、ブルー(仮名)さん、レッド(仮名)さんにこれまでナンパでセックスをした話をすると、新しいとか主導権を全て相手に渡している、即られ系ナンパ師と表現された。 

この記事でも自分からホテルに行きたいと誘うのではなく、主導権を握られ誘われてしまった。

マリエ(仮名)さん - 草食系小男の反撃

記事に書いていないだけで、思い当たることが他にもある。

これは受動的な自分を如実に表していると感じた。

これまで社会経験が少ないのも自分が受動的であるがゆえにそうなったことである。

だからこれからは自分から主体的に切り開いていく必要がある。 

同席していたナンパ師の方々から「これからどういうナンパをしたいのか」聞かれた。

その時は正直にいうと、なんとなく「主導権をしっかり握っていわゆる普通のナンパ師のようになりたい」と答えたが、今まとめていて今までの自分から脱却する意味でもそうならなければならないと感じている。

そもそもナンパをしようと思ったのは、駆り立てられる恨みの連鎖の解消とナンパを通していろいろなことを経験して、今ままで自分の狭い安全圏に閉じこもっていた状態から抜けだしたいからである。

ナンパじゃなくても経験は詰めるでしょとおっしゃる方もいるかもしれない。 

その疑問は自分も4月の愛キャラのイベントでナンパをしたいと思った時から考え続けてきたことでもある。

しかしその疑問に対してある程度自分の中で答えは出している。

ニコ生の愛キャラのイベントでシンジさんが、「普通人は、仕事の悩みは仕事で、家族の悩みは家族で解決しようとする。しかし、恋愛はそれらにも通底するところがある。恋愛を経ることで他の関係も改善できるかもしれない。なぜなら恋愛はほかにはないぐらい人間に肉薄できるものであるからである。」といったようなことをおっしゃっていた。 

そのイベントでは高石さんに「そういうケースもあるって感じでしょ?」とさらっと流されてしまっていたが、僕には凄く重要に感じた。

肉体関係も含めて他人とここまで深い関係になれるのは恋愛しか無いし、コミュニケーションに活かせることも多い。仕事の悩みも家族の悩みも、対人間に対する悩みなので、他者に肉薄するという経験がそれらにも役に立つと自分なりに解釈した。

僕のどこか他人に対する恐れがあるのは他者に肉薄した経験がないからかもしれない。

蛇足だが、この考え方はアドラー心理学の人間が抱える悩みは対人関係の問題であるとする考えと似ているような気がした。

上記のシンジさんの発言を見たい方は以下のリンクからどうぞ。

後半部分です。

「愛のキャラバン」@ニコニコ超会議 2

下記の本がアドラー心理学について書いてあって、ベストセラーになった嫌われる勇気という本です。

嫌われる勇気

嫌われる勇気

 

 

多くのナンパ師のブログはプロセス(嘘か本当かもわからない)が中心だけど、僕はその出会い、セックスを通じて何を考えたかを知りたい。

それにプロセスはいくらでも盛れるけど、考えは考えたことしか書けない。

特に何も考えないのであれば、そこに何の意味があるのかわからない。

ナンパをする必要性がないのではないかとすら思う。

もちろん、毎回毎回考えが浮かんで来るわけではなくて、潜在的に蓄積してあるとき堰を切ったようにどどっと浮かんでくることも多いと思うけれど。

ブルーさんとレッドさんというのは彼らを色に例えた時に思い浮かんだ色から勝手に仮名を付けさせていただきました。

ちょっと三回目の講習の話を書いてしまったが、その時のこと、他にナンパしてセックスした話、新しい人とのつながりなどをこれからゆっくり書いていこうと思う。