ナンパ講習2 だから僕のネグはズレている

5月の末ごろ阪急梅田の32番街に行って、Kさんと待ち合わせした。

電車の都合でKさんは少し遅れた。

とりあえず二三人に声掛けをしていると、黄色いシャツを着てリュックをしょってKさんは現れた。元気?と言われて元気ですと答えたが、3秒くらいかかってるし反応遅すぎるとKさんに笑われた。

髪切って良くなったと髪型のこともつっこまれる。

嬉しい。

とりあえず、二三人に声掛けしてみてって言われて、声を掛ける。次にKさんの指名で声を掛ける。

石川県の金沢から旅行に来ている学生にトイレの場所を教えたり、意外と話を続けることができた。

あとは君は熟女に受けが良さそうだからと熟女を指名されるが、圧倒的な無視を受ける。

しかし、声掛けうまくなったと褒められる。嬉しい。

 
そして定食屋に入ってご飯を食べた。
Kさんはねぎとろ丼を注文して、僕はバランス定食を注文した。すかさずバランスとるんやと突っ込まれる。
そこで色々話をしていく中で君は肩に力が入っていると言われた。
色んな所に力が入っているということは何かから守ろうとしているという話をしていただいた。そもそも肩に力が入っているなんて考えたこともなかったし、目からうろこだった。
 
話しづらい店だったので、スタバに移動することになった。
スタバに入る前に自分の恨みについて話すもネグされる(その時はネグを知らなかったが)。
恥ずかしい話なのだが、スタバに行くのは初めてだった。
Kさんはなんとかモカを推してきたが、僕は抹茶味が大好きなので抹茶フラペチーノを頼んだ。
 
そこでKさんと座学。
女子大生やOLが真後ろに座っている中でナンパとかセックスという単語を堂々と発していて少しドキドキしていた。
詳細はKさんの講習を受けてください。
Kさんがいろいろ話して僕が質問してという感じで進行した。
ノートにナンパの流れを説明してくださった。
ネグというコミュニケーションがあるのを初めて知った。
さらに、ナンパがこんなに体系化されていることにびっくりした。
いろんなナンパ師の方と話していく中でこういう形になったそうだ。
しつこく質問してしまったので申し訳なかった。
だんだんナンパしたくなってきたやろと言われて、確かにナンパをしたくてしょうがなかった。
これはいつもの恨みから亡霊のようにナンパに行こうという感じではなく、新しい道具を買ってすぐに使ってみたいというような感覚からのモチベーションだった。
スタバは注文がややこしいらしいから、ずっと行く気にならなかったど杞憂に過ぎなかった。
僕の世間知らず加減は相当なものだということが読者の方々にもわかっていただけると思う。
 
スタバを出た後は近くのビルの建物に映った自分の姿を客観的に見る。
そして、ファッションチェック。
襟をたてるのかボタンを開けるのかどっちがいいと思うかを質問される。襟を立てるファションがあるなんて知らないので恥ずかしくて、襟を立てるのを頑なに拒んだ。
Kさんはどっちでも好きな方でいいよとおっしゃっていたが。
絶対襟を立てたほうがいいけどな。という顔をしていた。(どんな顔やねん)
いや雰囲気で語っていたような気がした。
 
次に隣にいるとしたらどんな女性があうのかを考えた。
隣にいそうな人に声をかけるのが目安になるとおっしゃっていた。
そこからモテ服について話に展開した。
僕はファッションのことはまったくわからない。
なおさらモテ服なんてわからないのでどうすればいいかと聞いたところ、店でコーディネートしてもらうとか好きな芸能人の服装を真似ればいいと言われる。
少し移動しながら、理想の髪型について質問すると、長くなくて清潔感があるのがいいとおっしゃった。
Kさんは長いじゃないですかと突っ込むと、これは女の子の受けは悪くなるけど、講習とかを受ける君らにはすごいカリスマみたいに見えるやろと言われる。
それを講習生の僕に言ってしまったらカリスマ性が半減してしまうのではないかと一瞬頭をよぎった。
 
そしてしばらく、道行くカップルをしばらく観察してこれはファッションの相性が成立するかをチェックする。
たしかに、成立しているカップルが多い。
そしてまたKさんの指名で声をかける。ここでのテーマは外しの練習。外しというのは会話をそらすということだ。
座学で、話の中であの流れからずれてきたら話を元の流れに戻すということを教わったばかりだった。
座学の中で「ていうか」という言葉を強めに言うのが有効だと教わった。
それを意識しつつ声をかけながら、持ってるタピオカが入った飲み物に話題をそらしたり、髪型に突っ込んだりしたが、うまくできなかった。よくよく考えてみると、正確には外しが難しくてできなかったわけではなくしっくりこなかったという表現の方が正しいかもしれない。
今まで戦略的に話しを自分の流れに持っていくように話題を変えたことがなかったからしっくりこなかったのだと思う。
 
グランフロントの方に移動する。
数人に声掛けをしてKさんのもとにもどって報告。
道聞きから、店が閉まっているのではないかという話の流れの中で、自分から時間を聞いておいてふーんという意味不明なネグをしたという話をしたら爆笑される。
あと道を適当に教えられた時に道がわからないで困っている人にうそをつくなんてひどいですねっと言ってしまう。
それはネグじゃなくてディスやんとKさんにまたもや爆笑される。
弁明させていただくと、無理してネグを使ってみようとして混乱していた。
次にボルダリング帰りの社会人三年目の英語の塾の先生に声をかける。
自分から勝手に学生っぽいって言われると抜かしやがったので、同じ学生だと思いましたと突っ込んだり、英検の話、大学院の話、中学生とか小学生の性の目覚めの話をした。
しかし、改札口で連絡先を聞くも彼氏がいると言われ連絡先を交換できなかった。すごくおしかった。
 
いつの間にかKさんとはぐれてしまう。
来た道を戻りながら、「黄色いシャツの人をみかけませんでしたか?すごくおっちょこちょいで勝手にいなくなるんで困るんですよね」とはぐれたことを口実にナンパをした。
僕はグーグルマップを使っても道に迷ってしまうほどの方向音痴なのだが、自分が迷った話をKさんが迷ったことにして会話をすすめた(Kさんすいません)番ゲなどはできなかったが相手も笑ってくれた。
 
Kさんに電話して合流。
そしてKさんのナンパをみせてもらう。
一人目はそんなに話せず終了。
絶対無理だと思って指名した二人目の女性を速攻で連れ出し。
後ろをついていったのだが、道中で泥酔したおっさんに絡まれて見失ってしまう。
バーに行くっていうフレーズを言っていたのを思い出したのでグランフロントの地図をみてバーがある六階にいると推測して追いかける。
ついに発見する。
あとで聞いたらバーが閉まっていてお互いテンションが下がってしまったらしい。
Kさんの声掛けを見ていて気づいたのはKさんは必ず女性よりも先を歩いて主導権を握ろうとしているということ、何を話しているのかはわからないがすぐに女性を笑顔にすることだった。
さすがカリスマ!!! 
 
はぐれて待ち合わせした場所で、今度は複数で指導したほうが他人の声掛けを見れるから成長できること、バーでやってみるかという話になった。
そして阪急の駅に向かいながら、イケメン木偶の坊さんみたいに僕にもアダ名をつけてくださいとお願いする。
有吉か!と突っ込まれたが返す言葉がわからなくてスルーしてしまう。
そして遅れてきた思春期というアダ名を頂戴する。
最後に肩の体操とスワイショウをやって切符売り場でお礼をいって解散。
 
社会学者の古市憲寿は「だから日本はズレている」という本で日本の様々なズレを考察したが、ショボくれナンパ師の僕は「だから僕のネグはズレている」という記事を書いてネグとディスの峻別について考察する必要がある。
前回もそうだったのだが、Kさんの講習は僕が普段全く意識していなかったことに気づかせてくれる。
僕の場合ナンパだけではなく、普段の私生活にも変化が起きていて、受講して本当に良かったと思っている。
たぶんクロック数が僕は低すぎるのでそれを上げる一助になっている。時間のある大学生の時にもっと早く受ければよかった。