孤独な卒業式実況中継

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今日は卒業式だ。みんな華やかな格好をし、晴れ晴れとした顔つきをしている。友達と写真を取り合っていたり、談笑したりしている中、友人のいない俺は憂鬱で今にも消えたいぐらいだ。親も友人のいないことを悟ったようだった。何もすることがないので入場の時間まで歩き回ったりしてお時間を過ごすほかない。しかし靴ずれで足が痛いので座って今、これを書いている。

 

そういえば進路が決まってない同じゼミの女の子に合った。進路のことは聞かなかった。もう合うこともないしどうでもいいからだ。昼ごはんも食べる気がしない。今日は負の遺産を精算する日だからガマンしないと。卒業式に来た目的は進学してから提出しなければならない卒業証明書と成績証明書を貰うためだ。現時点では大学生活は得たものよりも失ったものの方がはるかに大きく感じる。将来的にはあのとき勉強していてよかったと思いたい。早く時間が過ぎてほしい。

 

親にトイレに行ってくると嘘をつき放浪再開。同じ孤独の民もいて少し安心。ひとことも話さなくていいから孤独の民で集団でいたら紛らわせられるとかくだらないことを思いついた。いきなりしっかり勉強したんだから堂々としていていいはずと勇気が出る。

 

入場時間になったからさっさと行くか。

 

早く入場してみたら席がガラガラで座りづらいため便所に逃げ込んで今、書いている。しばらくここで時間を潰して、席が埋まってから行こうと思う。なんかちょっと便所で飯を食べる若者の気持ちが理解できる気がする。歌がトイレまで響いてくる。入学した時はなんとも思わなかったけど卒業するとなるとすごくいい歌だなと感動する。大学院に行ったら絶対こんな思いはしたくない。どうしてこんなにぼっちになってしまったかは以前書いた地獄の日々を参照してもらいたい。おっと、となりからブリブリと糞をする音が両隣から聞こえる。(|| ×m×)オ、オェ・・次から次へとブリブリしてくる。(|| ×m×)オ、オェ・・

 

便所に入って10分経過。慣れた。便所最高!以外に快適じゃん。卒業式も便所で過ごしたいぐらい。どれ、席も埋まったかな?便所リゾートから撤退。

 

式が始まるまでの時間、友達どうしで写真撮影をし合ってすごくみんな楽しそう。俺は一人端っこの席で式の流れを何度も読んでいる。することがないからだ。周りをを見るにつれだんだん俺と周りの人は全く違う生き物であるかのような錯覚をした。自分自身が下等生物に見えて惨めだった。隣の席が空席になっていて周りの人にこいつは一人なんだと言っているような状態だった。

 

卒業式が始まってみると、予想に反してとても感動的なもので卒業生代表のスピーチがとても印象的だった。最中は孤独感を感じることはなかった。

 

終わって建物を出るまでの間、サークルなり部活なりの後輩が出迎えていてごった返していた。俺のことを知る人はいないので話しかけてくれる人はいない。一人足早に建物を出た。一刻も早く証明書をもらって早く帰りたかった。祝賀会の会場にみんな移動する中、携帯で連絡をとるふりをして時間を潰していた。やっと時間が来て書類をもらってそそくさと帰路についた。